傾聴ボランティア活動記3

R.K. (東久留米傾聴ボランティア“みみ”)

社会福祉協議会主催の傾聴ボランティア養成講座の修了生有志で平成19年1月に会を立ち上げまして4月より活動を開始しております。私は2ヶ所の特別養護老人ホームへ、夫々月2回お訪ねして3年になります。

まず困りましたのは、ほとんどの方が認知症をお持ちなのです。「傾聴ボランティアです。」と申し上げますと、「何する人?」とお訊ねになります。「お話を聴かせていただくボランティアです。」と答えますと「話すことないから」と取りつく島もありません。
次の方には「お話し相手です。」と言いますと「あの人、おしゃべり好きだから、相手してあげて。」と他の人にふられます。
「お邪魔させていただいてよろしいでしょうか。」「どうぞ。」、ああ良かったと椅子を持ってきて傍に座りますと、テレビの時刻をひたすらノートに書き付けていらっしゃいます。声かけもむなしく5分がとても長く感じられました。

その内、お相手をさせていただける方も、馴染みの方も出来ましたが、「傾聴していない。」「傾聴出来ていない。」「私は傾聴に向いていないのではないか。」という思いが、ずっーとあって、とてもつらかったです。
それでも3年も続いていますのは、一人でなく仲間と一緒だったこと、施設の方からは「規則正しく来ていただいて感謝しています。」とか「時間があれば、もっと来てください。」と言っていただいたことです。そして何より、お相手させていただきました皆様のお陰と思います。

はじめの頃、職員の方にお断りになっていらっしゃいます、その反対側から、お声かけしますと、「あら来てたの、早くお座わんなさい。」とかエレベーターのドアが開くと「来た来た。」と待っていてくださる方など、うれしい思い出です。
歌うのは傾聴?と思いながら、声帯の訓練になるといわれますと、大正琴の日には参加して一緒に歌いました。リハビリも同行して、少しの進歩を一緒に喜びました。今は杖歩行の練習中です。お話の内容も前向きですし、笑顔が多くなっています。
一年以上もけわしい表情でお相手をさせて下さらなかった方ですが、豆まきをきっかけに30分位でしたが、以前のようににこにこお話なさいまして、2粒のチョコのうち、1粒を私にくださいました。1粒を終わったところで、チョコを差し出しますと、それは貴方にあげたのだからとお受け取りになりません。後でそっと職員の方へお返し致しました。

お名前をお訊ねしても、にこっ。何かを話しかけても、にこっ。目と目があっても、にこっとなさいます方がいらっしゃいまして、いつも口の中で何かつぶやいていらっしゃいます。
濡れた手を拭いて差しあげて、「私の手は温かいですよ、少し温めましょうね」と言いながら、よくよく聴いてみますと、「これも運命と思えば、致しかたのない事でございます。はい。」と繰り返していらっしゃいます。胸がつまりそうな思いでした。しばらくそうしていて、ご挨拶して立ち上がろうとしますと、じっと私の目を見つめて手を離されないのです。手の力が緩むまでご一緒しました。

今回、お話をさせていただく機会を頂戴致しまして、私自身の3年間を振り返ることが出来ました。
最初から関わらせていただいています方、ただ一度15分だけの方、お亡くなりになられました方など、お相手をさせていただきました方に多くのことを教わり、学ばせていただいていることに気付かせていただきました。
これからも施設での傾聴ボランティアを続けようと思います。3月から月1回、グループホームでも開始しています。いずれは高齢でお一人暮らしの方などのお役に立てたらと思っています。